はじめに
東日本大震災の大きな特徴として、津波による被害が挙げられますが、それは人間生活だけでなく、沿岸部の湿地やそこに生活していた生物にも大きな影響を及ぼしました。
湿地への影響については、空中写真の公開が早い段階で始まり、まず地形や植生の変化の情報が得られるようになりましたが、ほとんどの場所については、震災後1ヶ月程度たたないと現地の状況が見られるような状態にはならず、数ヶ月が経過してようやく環境や生物の状況の断片的な報告が出始めています。
いまだに復興の道筋ははっきりしませんが、湿地の再生を復興に組み込んでいく考え方もいくつか示されてきています。一方で、瓦礫置き場への利用といった湿地の環境に配慮が足りない復興活動も心配されます。
自然の変化の把握やそれへの対応はなかなか進まないと思いますが、このページでは、今後の様々な活動の基礎資料として、現在までに把握できた沿岸部の湿地等の状況をまとめておくことにします。
管理人の守備範囲の関係で、このページでは主に「特に水鳥の生息地として重要な」湿地を扱います。
◎ ここで扱った主要な湿地の位置
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△:影響軽微 ▲:浸水・沈下 ▼:底生動物・藻類等影響有 |
白地図はSEKAICHIZUさんからいただきました。